フリーになる前、某人材派遣会社で3年ほど、面接(当時、正しくは「面談」といった)を担当していたことがある。
転職というのは、する側、受け入れる側、そして
紹介する側の3者3様の思惑がある。
「この企業にぴったりの人材を探して紹介したい」
「この人にぴったりの企業を探して紹介したい」
毎日毎日そう考えて、1,000人以上の女性を面接しただろうか。
いちばん気になったのは、というか今でも気になっているのは、「なぜ、面接官がそう言うのか」という(私が吐く)言葉の裏を想像してみようとする人が、あまりにも少なかったこと。「自分は、どこを見られているのか」ということへの想像力も少ない人が多かった。
マニュアル本を暗記したような答えでは、その人の本質を短時間に知ることはできないので、私たち面接官は、ムッとするような質問をあえて投げて反応を見たり、困るだろうなと思いながら質問して、対処できるかをチェックする。
たとえば、面接に現れたAさんに私が「Aさんの苦手なタイプの女性って、どういう感じの人ですか」と質問したとする。「苦手なタイプの女性はいますか?」ではなく、わざと「苦手なタイプの女性がいますよね。どんなタイプですか」という流れにしちゃうわけだ。別に、Aさんの苦手なタイプを本気で知りたいわけではなく、反応の仕方を見たいだけ。
「えーと」や「あの」を多用する人、とっさに返すことができない人。「苦手なタイプはいません」と言い切る人には再び、質問を重ねてみたり。
面接を受けるときには、嘘でもいいから「私はこの人が大好きだ。ステキなスーツを着ているなあ。物腰も洗練されているし」など、目の前の面接官に対して、ポジティブな気持ちをがっちり植えつけておいたほうが得だ。
ネガティブな気持ちは確実に面接官に伝わる。紹介する側も人間。マイナスのパワーを発している人は、無意識に避けるものだから。
誰かに仕事を紹介してもらうなら、その誰かに決してネガティブな気持ちを持たないってことは案外、いや、かなり大切なことだと、10年近くたった今でもそう思っている。